転職に不安を感じる人へ。失敗を避ける心理バイアス6つと対策3選を紹介

おはようございます。キャリアに悩む30代タカヒデです。
本日は、転職で不安を感じる方へ、判断を誤らせる6つの心理バイアスと、失敗を避けるための3つの対策を紹介します。
- 今、転職先を決めようとしている
- とても魅力的に感じる転職先が見つかった
- 転職しようか悩んでいる
はじめに
- 転職に失敗したらどうしよう…
- この選択は本当に正しいのだろうか…
このような転職に対する不安を持っていませんか?
転職活動は人生の大きな分岐点であり、誰もが期待と同時に不安を抱きます。
このような悩みを持つことは自然なことです。
しかし、不安に流されて判断を誤ると、理想のキャリアを築くはずが後悔につながりかねません。
その背景には、多くの場合「心理バイアス」と呼ばれる思考の偏りが存在します。
本記事では、転職活動で特に陥りやすい6つの心理バイアスと、それを回避するための3つの具体的な対策を解説します。
不安を正しく理解し、冷静に判断するためのヒントにしていただければ幸いです。
転職活動を始める際、こんな不安を持っていませんか?

これから転職活動を始める、もしくは転職活動を始めたばかりのタイミング、漠然とした不安を持っていませんか?
まずここでは転職活動における代表的な不安要素を挙げています。
当てはまるものが無いか見ていただくことで、自分自身の不安を言語化してみましょう。
不安①:どんな基準で求人を選べばいいのか分からない
求人情報は多様で、年収・福利厚生・勤務地・企業文化など比較すべきポイントは数多くあります。
しかし「どの基準を優先すべきか」が曖昧だと、判断がブレやすくなります。
「とりあえず大手企業だから安心」と応募先を決めてしまう人もいますが、大手企業でも企業文化や働き方は大きく異なり、あなたに合うとは限りません。
基準を定めないまま動いてしまうと、後から「思っていたのと違う」と後悔する可能性が高まってしまいます。
不安②:情報が多すぎて何を信じていいか迷う
インターネットや口コミサイト、SNSには転職関連の情報が溢れていますが、中には誇張や偏った意見も多く存在します。
不満を持った人ほど口コミを記載する傾向があり、良い会社にも関わらず、悪い部分だけが切り取られている場合もあります。
ある人にとっては「ブラック企業」でも、別の人にとっては「成長できる環境」かもしれません。
情報を鵜呑みにすると判断がぶれてしまい、不安がさらに増幅されます。
情報が多いほど安心できるわけではないのです。
不安③:条件に飛びついて失敗しないか心配
「年収アップ」や「リモートワーク可」といった条件に強く惹かれるのは当然のことです。
しかし、それだけを見て決めると失敗する危険があります。
具体的には、年収は高くても残業が極端に多ければ、時給換算するとさほど給料は高くないかもしれません。
条件に飛びつくこと自体が間違いではありませんが、それが本当に自分の価値観や生活スタイルに合致しているかを確認する必要があります。
不安④:内定が出ても正しく判断できるか不安
複数の内定をもらった際、「どちらを選ぶべきか」で悩む人も多いことでしょう。
魅力的な条件が提示されると冷静さを失い、目の前の好条件に飛びついてしまうこともあります。
しかし入社後に「思っていた環境と違う」、「もう一つの内定先にすればよかった」と後悔することも多いものです。
最終判断の場面こそ、心理バイアスに影響されずに自分の軸を持つことが大切です。
59.7%の人が転職後に「後悔・失敗した」と感じている
では、このような不安から、実際に「失敗した」と感じる人はどれくらいいるのでしょうか?
HRzineの調査によるとおよそ60%の人が転職後に後悔や失敗を経験したと回答しています。
■転職先の企業に入社してから「後悔・失敗した」と思ったことはありますか

理由としては「給与が思ったより低かった」「組織の風土が合わなかった」といったものが目立ちます。
この背景には、転職活動中に心理バイアスに影響された意思決定があると考えられます。
具体的には、「良い口コミばかりを信じてしまう確証バイアス」や「提示された条件に過度に引きずられるアンカリング効果」などです。
こうした偏りを理解しないまま転職先を決めると、入社後に現実とのギャップに直面しやすくなるため注意が必要です。

後悔している人がこんなにいるんだ…
会社選びが重要だね。
不安の裏側に潜む「心理バイアス」とは

では、これまで触れてきたような「転職への不安・失敗」を避けるためにはどのようにすればよいのでしょうか。
そのためには、誤った判断をしてしまう要因を知っておくことが重要です。
転職活動で感じる不安の多くは、「心理バイアス」と呼ばれる思考のクセから生じています。
心理バイアスとは、情報を正しく判断できなくなる心の傾向のことです。
転職は人生に大きな影響を与える意思決定のため、客観的かつ冷静に比較検討したいところを、無意識に偏った判断をしてしまいます。
ここからは転職活動で特に注意したい6つの心理バイアスを取り上げ、それぞれの特徴と具体的な影響を解説します。
心理バイアス①:確証バイアス
確証バイアスとは、「自分に都合の良い情報だけを集め、反対の意見や証拠を無視してしまう」現象です。
人は自分の考えを正当化したいという欲求があるため、肯定的な情報を選び取る傾向があります。
これにより、事実を客観的に判断できなくなり、誤った決断につながるのです。
転職活動においては、良いと思い込んだ会社のポジティブな情報ばかりに注目し、ネガティブな情報を軽視してしまうことがあります。
- 「高収入でいい会社」と思い込むと、裏側の長時間労働や福利厚生の乏しさなどのマイナス情報を見逃す
- 「フリーランスが流行っている」と聞くとフリーランスで失敗した人の情報に目がいかない

「良い!」と思い込んじゃうと良い情報ばかりを見ちゃうんだよね…
心理バイアス②:サンクコスト
サンクコストとは、「すでに投資した時間や労力を無駄にしたくないという心理が働き、合理的な判断ができなくなる」現象です。
人は過去の投資を正当化しようとする傾向があり、その結果として誤った判断を続けてしまうことがあります。
転職では、「この会社への応募に多くの時間をかけたから」という理由で、本当は合わない企業でも入社を決めてしまうことがあります。
- 「何度も面接を乗り越えたから」という理由で第1希望でもない企業を選んでしまう
- 今の仕事が嫌なのに「何年も働いたからもったいない」という理由で辞められない
心理バイアス③:真実性の錯覚
真実性の錯覚とは、「繰り返し目にする情報を信頼しやすくなる」現象です。
頻繁に目にする情報は、無意識のうちに信憑性が高まるため、判断を歪める要因となります。
転職活動では、企業の広告やPR記事を何度も見ているうちに、実態以上に良い企業だと錯覚してしまうことがあります。
- 転職サイトで頻繁に取り上げられる企業を無条件で良い会社だと思い込む
- TVCMを見たことがあるだけで中身を見ずに会社を信用してしまう
心理バイアス④:アンカリング効果
アンカリング効果とは、「最初に得た情報が基準となり、その後の判断に大きな影響を及ぼす」現象です。
本来ならば多くの情報を均等に評価すべき場面で、最初に見た数値や条件を過大評価しやすい傾向があります。
転職活動では、最初に提示された年収や待遇に引っ張られ、全体のバランスを見落とすことがあります。
- 今の会社の情報が基準になってしまい、異なる業務の仕事が目に入らない
- 「やりがい」を求めているのに、最初に見た年収1,000万円の企業に惹かれてしまう
心理バイアス⑤:フォーカシング効果
フォーカシング効果とは、「一部の特徴に注目しすぎて、その他の重要な要素を見落としてしまう」現象です。
人間はすべての要素を平等に評価することが苦手で、特定のポイントに集中すると、他の情報が無視されてしまいます。
転職では、給与や勤務地など一部の条件だけにこだわり、他の職場環境や業務内容を軽視してしまうことがあります。
- 「職場が家から近い」という理由だけで会社を選んでしまい、給料や業務内容などの重要な側面を見逃す
- リモートワーク可能な仕事だけを探してしまい、他のポイントは見ずに仕事を決めてしまう
心理バイアス⑥:感情バイアス
感情バイアスとは、「一時的な感情に左右されて、合理的な判断ができなくなる」現象です。
感情が強くなると、論理的な思考が弱まり、冷静な判断が難しくなります。
転職では、転職活動中の不安や焦りが、誤った選択につながることがあります。
- 「とにかく今の職場を辞めたい」という感情だけで転職し、今より悪い環境で働くことになる
- 間違った情報と分かっていてもポジティブな情報に飛びついてしまう
心理バイアスに惑わされず転職で失敗しないためには?
転職活動において心理バイアスを完全に避けることは難しいですが、意識的に行動を工夫することで影響を最小限に抑えることは可能です。
ここでは実践しやすい3つの対策を紹介します。
いずれも「自分の判断を客観視する」ために有効であり、不安を冷静な行動へと変える手助けになるため覚えておいてください。
対策①:ネガティブ情報を意識的に探す
人はどうしても自分に都合の良い情報ばかりを集めがちです。
そのため、意識的に「ネガティブな情報」を調べる習慣を持つことで対策を打つことができます。
具体的には、企業名に「残業」「離職率」「ブラック」といったキーワードを組み合わせて検索したり、口コミサイトではあえて悪い評価の投稿だけを確認することが効果的です。
また、面接の際に「入社して苦労する点はありますか?」と質問することで、ポジティブな情報に隠れたリスクをあぶり出してみても良いでしょう。
メリットだけでなくデメリットも正しく把握してこそ、冷静な判断ができます。
対策②:条件を数値化して比較する
感覚や印象に頼ると心理バイアスに引きずられやすいため、求人条件を「数値」に落とし込んで比較することが大切です。
- 年収
- 残業時間
- 休日数
- 勤務地
などを表に整理し、自分にとっての優先度に応じて重み付けを行います。
その上で点数化すれば、条件を客観的に比較でき、魅力的な一部の要素に偏るリスクを減らすことができます。
たとえば「年収は高いが残業が多い会社」と「年収は平均的だがワークライフバランスが良い会社」を比較する際、数値で総合点を出すことで自分にとって本当に価値のある選択肢が浮かび上がるのです。
対策③:第三者の視点を取り入れる
人は自分一人で考えるほど、思考の偏りに気づきにくくなります。
そこで第三者の視点をとり入れることが有効です。
転職エージェントに「この条件は市場水準と比べてどうか」と確認したり、信頼できる先輩や友人に候補企業を見てもらったりすると、自分では見落としていたポイントに気づけます。
また、内定承諾を即決せず一晩寝かせるのも有効な方法です。
時間を置くことで感情に左右されにくくなり、冷静に再考できます。
他者や時間のフィルターを通すことで、より客観的で後悔の少ない判断ができるのです。

バイアスにかかっていない人のコメントをもらうことが効果的だよ!
なお、転職エージェントのオススメは↓の記事でも紹介しているので是非参考にしてください。

まとめ
本日は、転職で不安を感じる方へ、判断を誤らせる6つの心理バイアスと、失敗を避けるための3つの対策を紹介しました。
- 確証バイアス
- サンクコスト
- 真実性の錯覚
- アンカリング効果
- フォーカシング効果
- 感情バイアス
転職活動には希望と同じくらい不安がつきまといます。
確証バイアスやサンクコスト、アンカリング効果など、誰もが無意識に陥る偏りを理解しておくことは、冷静な意思決定に欠かせません。
転職は人生に大きな影響を与える選択だからこそ、バイアスに振り回されない工夫を取り入れてください。
以上、タカヒデでした。